千葉 館山周辺の霊場>海の霊場『安房国札三十四ヵ所観音霊場』の観音像は他に類を見ない素晴らしさ

《安房国札三十四ヵ所観音霊場》

房総半島最南端の安房の国に広がり、｢海の霊場｣ともいわれる
「安房国札三十四ヵ所観音霊場」は、鎌倉時代の1232年(貞永元年)に､疫病の
流行や飢餓など､世の中のあまりにも悲惨な様子に心を痛めた高僧
たちによって､安房国内に祀られている観世音菩薩にご詠歌が奉納
され､拝んで廻ったことに始まります。

歴史ある３７(３４+番外３)の札所寺院からなり､南総里見八犬伝に
関する史跡が多いこともあり､比較的訪れる人が多いわりに､地域柄
でしょうか､６年に一度のご開帳は､いきいきとして賑わいを見せる
ものの､静かで落ち着いた雰囲気です。

第１番札所の「那古寺(なこでら､館山市那古､通称:那古観音)」は､
｢坂東三十三カ所｣の第３３番札所でもあるんですが､うまい具合に
坂東の札所に連結するようになっています。

このお寺､安房霊場の中でも､１番大きく､重要文化財｢銅造千手観音
立像｣をはじめ、｢木造阿弥陀如来像(県指定文化財)｣など、貴重な
寺宝を数多く所有していて、１番札所にふさわしい歴史と貫禄を
備えています。
中でも銅像千手観音像は、鎌倉時代中期の作ですが､すぐれた鋳造
技術や顔かたちの描き方､顔と体のバランスのすばらしさには他に
類を見ません。

海の風を感じながらのお参り…なにか発見が有るかもしれませんね。